H24.1.8〜9 ハナゲも凍る極寒の日光白根!


2012年01月08日


数年前から何度も企画するも、天候その他スケジュールに恵まれず実行できなかった山行がある。
「厳冬期日光白根クラシックコース登山」、湯元温泉から入山し五色沼避難小屋に宿泊のうえ関東以北最高峯(2,577m)の頂を踏むプランである。


健脚な方なら、十分日帰り登山も可能なコースであるが、我々は幕営装備・スノーシュー・宴会装備等25キロも担ぎ上げ余裕を持って二日間で登ることにした。厳冬期の奥日光の寒さを体感し、正月太りを解消することが今回の目的である。が・・・結果は、
五色沼避難小屋の夜はハナゲが凍る程寒かった!(△15℃ 本当に寝息が瞬時に凍りました)


参加メンバーは、へべ隊 はし、とし、たけの3名である。

いずれも雪山初心者の域を越えていないことから、かなり余裕をもたせた登山計画書を作成して臨んだのであるが、不慣れな雪山登山。二日目の出発が1時間以上遅れた結果、天候が急速に悪化し山頂付近でホワイトアウトに包まれ、視界不良の恐ろしさを身を持って体験したのであった。


午前6時に佐野の道の駅「みかも」に集合し、東北道日光宇都宮道路経由でいろは坂を登る。
関東平野は申し分ないような晴天であったが、いろは坂を登ったあたりから日光白根方面の空を見上げると厚い雪雲が、空に関東と北陸の境界線を作ったかのような真っ白なカベを作り北の空を覆っている。ここまで日本海側からの雪雲が張出してきていることに少々ガッカリしながらも、回復に向かうとの天気予報に期待し、9:00湯元スキー場へ向けて歩き始める。気温△7℃


日光湯元スキー場は、埼玉県内の中学校のスキー合宿中らしく、多くの子供達で賑っていた。当然文明の利機は使わせてもらおうと、リフト売場に直行したのであるが、残念稼働中のリフトは下の2機のみで、外山尾根取付きまで行けるリフトはここ数年停止中とのことであった。


下のリフトは斜度がないので使う意味があるかわからなかったが、スキー場を大荷物でエッチラホッチラ歩く距離は短い方が良いので、一人300円のリフト券を購入する。稼働中の2機のリフトの内左側(湯ノ湖側)のリフトの方が幾分距離を稼げるとのことで、おいらを先頭にリフトに乗込む。

としは初めて大荷物を持ってリフトに乗るらしく、かなりビビっている。おいらはコケルことを期待してカメラを構えていたのであるが、レディーに優しいリフト係のお兄ちゃんが特別にリフトを止めてエスコートしてくれたのであった。
(つまらん、それに比べてリフト係のはしの取り扱いはひどかった。降りるタイミングを逸したはしを無理やり引きづり降ろしていた!)

さて、ここから上はリフトが稼働していないので、登山者用の看板に従いリフト右側の登山道を登り始める。いくらも登らないうちにつぼ足では厳しくなり、スキー場内で早々にスノーシューを装着する。久々の大荷物が肩に食い込み既につらい。



2012年01月08日


午前10時やっとスキー場最上部の外山尾根への取り付きに到着。本日は既に3パーティーがこのコースを先に登っていることから、明確なトレースがあり道を間違うことはない。


それにしても、3年振りに登る外山尾根はあいかわらずの急登で遅々として進まない。しかも、大荷物を担いで安物のスノーシュー(ネットオークション3,000円)で登っているためだろうか?何度もバランスを崩しひどく体力を消耗してしまった。はし、としの若い二人にまったくついていけない。リーダー特権でペースを緩ませたのであるが、外山尾根鞍部到着は午後12:30とはし、としを10分以上待たせてしまった。外山尾根鞍部の気温△10℃


外山尾根鞍部は、うれしいことに晴れていた。風もなく、1月のやしさい日差しが穏やかな尾根を照らすとっても気持良い場所である。ここで大休止し温かい紅茶を飲む。(
そういえば3年前も弟とここで大休止したけ!今年おいらも40代に突入したけど、やつはもう歳をとることはないんだな〜などと思いながら、ザックにくくりつけてきたやつのピッケルにめをやる)


ここから前白根までの尾根歩きはスノーシューのおかげで快適そのものであった。先行者のトレースを追ってフカフカの雪の斜面を登っていくと女性二人を引率した3人パーティーに追いつく、挨拶を交わすと、こちらの方達も五色沼避難小屋泊まりとの話であった。


森林限界を越えると、いままので穏やかの樹林帯の尾根歩きから一変し、日光白根方面からの強い西風に晒される。風速10m〜15m程度であろうか?日光白根の展望を楽しみに登ってきたのであるが残念!雪雲が広がり、明日登る予定の日光白根はほとんど見えなかった。



午後2時に前白根山頂に到着!山頂は無人で我々が独占することができたが、ものすごい風である。気温△15℃

記念撮影後早々に五色沼避難小屋方面へ降る。

ここで進行方向を西から南にほぼ90度曲げて白根隠山方面へ伸びる外輪尾根へ降るように乗り移る。西風をモロにうけ雪はみな飛ばされているので、スノーシューは必要ないが、背負うのが面倒なので、みな履いたまま尾根を降る。ほどなくして、五色沼避難小屋へを指す看板に従い樹林帯を穏やかに降ると前白根山から1時間程で、午後3時本日の宿泊地である五色沼避難小屋に無事到着したのであった。


第二部(極寒の避難小屋編へ続く) ※疲れたので明日書きますね!



2012年01月08日


おまたせしました! 第二部 極寒の五色沼避難小屋編スタート


15:00 早すぎず遅すぎずのジャストタイムで五色沼避難小屋に到着。あんまり早く到着しちゃうと体が冷えちゃうんだよね!

前回来た時は1階の出入口が利用できたんだけど、今回1階の引戸は雪で半分埋まっていることから、ハシゴを利用して2階から避難小屋内に入る。この避難小屋20人は泊れるはずであるが、正月明けの三連休なんで既に満員御礼であったらどうしようとドキドキしながら冬季入口に頭を突っ込む。

薄暗い小屋内の土間で3人程談話している人達がめにはいる。「こんにちは、3人ですけど入れますか?」と声かけると「おー大丈夫だよ!」との返事。なんてことはなく、本日の宿泊者は我々含めて4パーティー総勢12名で余裕であった。


しかしながら、先着の2パーティーは避難小屋内でテントを設営しているので、スペース的な余裕はあまりなく、我々は入口近くの独立した2階の2畳程のスペースを利用することにした。この場所はちょうど
相撲の升席のような形状で完全に他と独立しているのであるが、なにせ広さは2畳程。最初3人ではかなり窮屈と思ったのであるが、登ってみると天上裏側にふんだんな収納スペースがあり、ザックやスノーシューはすべてここに収納することができたので思ったより快適に過ごすことができたのであった。

なんといっても出入口の窓に近いので薄暗い避難小屋の中でも唯一採光がとれる場所なのである。出入口に近いと寒いと思うかもしれないが、
避難小屋は家と違って断熱構造にはなっていないので基本的に室温は外気温と同じなのである。ちなみに午後3時時点の避難小屋内の温度は△8℃程で、先に避難小屋入りしたパーティーは寒い寒いと言っていたが、我々は先ほどまで大荷物を背負って歩いていたので体はまだ運動モードでポカポカしているのでまったく寒さは感じなかったのであった。まあそれでも小屋入りと同時にダウンその他の着れるものはすべて着てホッカイロを開封!やがておとずれる寒さとの闘いに備えるのであった。


避難小屋には大量の布団があるので、それを床にひき占めた上に銀マットを被せて宴会&睡眠スペースを作る。午後3時半であとはやることはない。さっそくナッツやカリントウをつまみながら、乾杯用に持ってきた「とっておきのビール」を開ける!

が・・・・缶ビールの注ぎ口から出てきたのは大量の泡とシャーベットであった!

なんと、ザックの底に入れてきたビールはほとんど凍ってしまいわずかにシャーベート状に留まっていた上部だけなんとか缶からでてきたのであった。
そしてやばい水が・・・と思った時は既に遅く、
苦労して荷上げた水1.5Lのうち保温材に包んでおいた500mlの他はすべてカチカチに凍結してしまったのであった。避難小屋に入ってからわずか30分の出来事であった。ちなみに、ウィスキー・焼酎・梅酒は△15℃まで下がった明け方もまったく凍結しなかった。(教訓@ 雪山は度数の強い酒にかぎる。 教訓A 雪山では水の保管方法を誤るとただの荷物となってしまうのである。こいつは帰宅してもなかなか溶けなかった)


まあ、こんなこともあろうかと尾根東側のきれいな雪を大量にビニール袋(すんげー重かったけど)に入れて担いできたので、水は雪を溶かして作ることにした。気を取り直して、トシが苦労して荷上げた
「セブンイレブンおでん」(つゆ入り1袋500g×3)を肴にシャーベット状ビールで乾杯する。雪山で食べるおでんの味は!言うまでもなく最高である!

味のしみた大根やたまごにたっぷりからしを付けて口にほおりこみ、すかさず焼酎のお湯割りをグビリと飲む!雪山で味わうこの味、ウマイでも美味いでもなく
「旨い」である。(おでん担当トッシーありがとう!)



2012年01月09日


さておでんをおおかたかたずけたところで、ハプニング発生!おいらが続くうどん用にと水の量を増やそうとして鍋に雪の塊を投入したところ、鍋のバランスが崩れ貴重なおでん汁をぶちまけてしまったのであった。おいら達は2階で宴会をしていたので、真下で寝ていたソロのおっさんめがけておでんの汁が流れ落ちていったのであった。

慌ててタオルを持って1階のおっさんに謝りに行ったのであるが、幸いなことにオデン汁は1階に落ちる前にすべて凍結してしまい、おっさんへの被害は軽微で笑ってゆるしてもらったのであった。それにしても恐ろしい寒さである、わずか数秒でおでん汁はすべて氷柱になってしまうのである。ちなみにこの時の室温は△11℃であった。

しかし、宴会はまだ続くのである。続いてなんとか生き残ったおでんの残り汁に雪をたしてから
「ハッシー自信の桐生うどん半生タイプ」を投入しグツグツと煮込む。だいぶおでん汁をロストしたので「京風うどん」などと冗談を言いながら、食ってみたうどんはしょぱくて食べれたものではなかった? ハッシーには茹でがいらないタイプ(ソフトメン)を持ってくるように言ったはずであるが、どうやら担いできたのは茹でるのとスープを別々のお湯でやるタイプ(めんに大量の塩が含まれている普通のうどん)のようであった。

まあ、苦労して荷上したハッシーの手前、おいらとトシは黙って食べたのであるが、ハッシーは「ショッペー絶対無理!」と早々に白旗をあげるのであった(もちろんゴミとして持ち帰りました)

さて、そんなこんなで、もともとへべ隊の内でも酒の強くない我々はすっかり尻つぼみとなり午後7時には素直にシュラフに潜り込むのであった。(おやすみ へべ隊予科練達〜)



2畳程のスペースにトシを真ん中にシュラフを三つ並べて寝る。それにしてもトシのシュラフは△30℃でも寝れそうなほどフカフカで、まだ午後7時半なのにツターンカーメンの棺のようにデーンと2畳升席の中央を占領しスヤスヤと寝てしまっている。オイラは唯一凍らなかった水500mlを大事にシュラフのなかに入れ、3重に防衛【クローアップシーツ(モンベルのインナーシーツ)・ポカラ(イスカのシュラフ 限界温度は△6℃)・シュラフカーバー(ネットの安物)】して寝たのであるが、普段寝るのは11時頃なわけで、午後7時に寝てもまったく寝つけなかったのであった。まあ8時頃まで一階でチビチビと宴会していたパーティーもいたので、その話声を聞きながらシュラフの中でぼんやりしていたのであるが、いつにまにか眠りについていた・・・



「さ・さ・さむい、さむい、さむーい!」何か顔に落ちてくる冷たさにはっと目が覚める!まだ夜は明けていないようだから4時頃かな?天上から垂らしておいた温度計付腕時計のライトをつける。腕時計をのぞき込み文字盤に唖然とする「午後10 気温△12℃」まだ2時間しか経っていない。おいおい、この寒さ朝まで我慢できないぞ!

しかし、となりのトシはあいかわらずツタンカーメンの棺のようにデーンと存在感抜群で寝ている。顔は見えないがシュラフカバーの寝息があたる部分が凍りついているので、たぶん寝入っているのだろう。
しあわせそうに寝ているのを見るとみょうにむかつく!

その隣のハッシーのシュラフはなんかモゾモゾ動いているので話しかけてみると、「トイレに行きたいが外に出る勇気がない!」との返事。話相手ができてちょっと安心する。とりあえず体温を上げるために何か食べようと話す。おいらはドライマンゴー、ハッシーはカリントウを食べる。食べているうちに体が幾分温まってきたがまったく眠くならない。あ〜夜が長すぎる!

再び頭からシュラフに潜り込むがウトウトはするも眠りにつくまでいかないまま2時間毎に起きてはチーズやドライマンゴーを食べる。午前4時をまわるとまわりの登山者もゴソゴソと行動始めたのにつられて完全に目を覚ます。室温は等々△15℃まで下がっていたが、もう夜明けはもうすぐであった。(ほとんど寝れなかったが極寒避難小屋の一夜を乗り切ったぜ〜)

しかし避難小屋というのは予想に反して喉が渇く、シュラフにいれた500mlの水は一晩ですべて飲んでしまった。たぶん水蒸気はすべて凍ってしまうので湿度はかぎりなくゼロに近かったのではないだろうか。(教訓B 雪山の避難小屋は乾燥している。)


午前5時半、リーダー特権でハッシーとトシを起こす。

まずは水作りから始める。みな寒いのでシュラフに足をつっこんだままで作業する。二代目ヘベ鍋に大量の雪を入れてバーナー最大出力で煮たてる。そのままモチを投入し、最後にフリーズドライのお汁粉を入れれば、朝食お汁粉の出来上がりである。このお汁粉、雪山では絶対おすすめである。モチのボリュームと小豆の甘さが朝のやる気を引き出してくれるはずである。が・・・そこはへべ隊! 起床時間は他のパーティーに負けなかったはずであるが、朝食後にまったりモードに突入。のんびりお茶をのんでいるあたりで、他のパーティーはみな日光白根アタックに行ってしまったのであった。



第三部  「ホワイトアウトの日光白根」へ続く! すんません明日書きます



2012年01月09日


第三部  「ホワイトアウトの日光白根編!」  レポ遅れてすいませんでした



午前8時、日光白根を目指して出発する。避難小屋前は、ほぼ無風状態、見上げると朝の陽光を浴びて輝く日光白根の雪面には先行パーティーのトレースがはっきりと見える。ほぼ快晴で最高のコンディションである!


晴天で雪のコンディションも良さそうなので1時間もあれば登頂できそうであるが、念のためサブザックにツエルト・行動食&非常食・サーモス・ロープ・ヘッテン・非常用燃料等を詰め込む。既に3パーティーが先行し、しっかりとしたトレースがついているので、スノーシューは必要ないと思ったが、避難小屋に同宿したベテランパーティーのアドバイスを聞いて我々はスノーシューを履いて登ることにした。



ちなみに積雪期の日光白根へのルートはほぼ真っ直ぐに山頂に向かっているので、かなりの急登なのであるが、東斜面は西風の影響が少なくフカフカの雪で覆われているので山頂まで滑落の危険があるような場所は一ヶ所もなかった。もしクラストしていたら、アンザイレンして登ろうと思っていたが、ロープを必要とする場所もなかった。


まずは樹林帯をスノーシューを履いてほぼ水平移動する。無風快晴のもと
フカフカの雪をスノーシューで歩くそれは最高な気分であった。やがてトレースにしたがい斜面をまっ直ぐに登り、だんだん高度を上げていく。緩斜面ではスノーシューはよく雪を掴みグイグイと登っていけるのであるが、樹林帯を抜けると傾斜が急になり、ズルズル滑り厳しくなってくる。



2012年01月09日


そろそろ、スノーシューからアイゼンに履き替える良い場所がないかと物色していると、丁度1畳程のテラスを形成している四角い岩をみつける。この場所でアイゼンに履き替え、スノーシューは岩の上にデポしていったのであるが、履き替えていた10分程の間に天気が急速に悪化! 気がつくと五色沼も山頂もガスでまったく見えなくなっていた。強い風が吹き始め先行者のトレースもほとんど消えていくなか、山頂と空の区別はまだなんとかつくので一歩一歩着実に足をだして登ることを心がける。


午前9時20分、なんとか山頂の一角に到着!山頂付近は西風が強くしかも完全に雪雲の中で視界は10メートル程、はっきり言って真っ白である。ここで逸る心を抑えて、隊長からのメールを思い出す。たしか
「日光白根は山頂からの下りで迷いやすいのでルーファンは慎重に!」と書かれていたっけ。ここまではストックで登ってきたが、山頂付近は岩稜地帯なのでピッケルに持ち替える。ここで、あまったストックを下降点の目印として石に挟み込むようにデポしておくことにした。併せて登ってきたトレースを頭に叩き込んでおく。


今回のオレンジ色でシャフトの短いピッケルは弟のものである。3年前の冬に前白根山頂で交わした「今度は日光白根登ろうな!」の約束は永遠に果たすことができなくなってしまったが、せめて奴のピッケルをと今回持ってきたのであった。


山頂の岩稜地帯に入ってから、おいらのアイゼンが何度もはずれるトラブルが発生する。はずれる度にハシとトシを待たせてしまうので申し訳なく思う。いいかげんあきらめてアイゼンをザックに仕舞い込む。ワンタッチアイゼンの調整をちゃんとしてこなかったことを後悔する。

山頂の岩稜地帯は複雑な地形をしているのであるが、見覚えがある噴火口跡広場を見つけたのでひと安心。ほどなくして山頂の社に到着!寒風の中お参りし、いったん岩稜を降ってから、再び20メートル程登り一等三角点と山頂標識がある日光白根の山頂に向かう。



2012年01月09日


午前9時40分、日光白根山頂に到着!我々以外の登山者は既に下山しているのか、山頂周辺ではまったく人に会わなかった。濃いガスのため展望はゼロ!視界はあいかわらず10メートル程で、しかも風速20メートル程の猛烈な西風が吹いている。腕時計の温度計をみると△20℃!今回の山行最低気温である。


形見のピッケルを山頂に差し、はし&としの到着を待ちながら一人感慨にふける。
「冬の朝、露と消えたるはらからの、想い担いで頂を踏む」


3人揃ったところで記念写真を撮影するも、強風に追われるように下山を開始。噴火口跡のお地蔵さんがある岩影で小休止。ここで、としからもらった温かい紅茶がうまかった。心配していた下山ルートであるが、デポしておいたストックのおかげで下降点については間違えることがなかった。既に我々が登ってきたトレースは完全に消えていたが、下降方向についても頭にたたき込んでおいたので、五色沼方面を意識するよう左よりに下山する。



2012年01月09日


しかし、かなり高度を下げてきたにもかかわらず、どうしてもスノーシューをデポした岩がみつからない。もしかして通り過ぎてしまったかと不安になり、下山ルートが右へ左へと蛇行してしまう。


後続のはしとトシが不安そうに声をかけてきたので、正直にスノーシューをデポしてきた岩が見つからないこと、もしかすると五色沼を意識するあまり左に寄りすぎたかも知れないのでコースを右に修正したいとことを話す。するとはしから「右ではなくもっと左を登ってきたはず!」との一言にはっと左下方に目をやると、なんてことはなく20メートル程下にスノーシューをデポした四角い1畳程の岩を発見!無事にスノーシューを回収することができたのであった。


スノーシューに履き替えてからは断然機動力がアップしフカフカの雪をスキーで滑るような感覚でスルスルと快適に下り、午前11時に五色沼避難小屋に帰還。既に誰もいなくなった五色沼避難小屋では昼食休憩を兼ねて、お茶を沸かし1時間程まったり過ごしたのであった。


正午ちょうどに、何故か来た時より大きくなってしまった60Lザックを背負い前白根山へ向けて出発する。



2012年01月09日


相変わらず尾根にあがると強い西風が吹いているがいくぶんガスは薄くなってきたようである。

午後1時に予定通りのタイムで前白根山頂に到着。ここからは、東斜面の樹林帯となるので風もなく快適な下山路となる。シリセードで楽をしながら外山尾根鞍部には午後2時到着。外山尾根の下りは何度も足を滑らせて苦労しながらも、午後3時にスキー場最上部に到着したのであった。


ここで、スキー場の使用されていない最上部ゲレンデを降ってみようとの話になったのであるが、これが大失敗。最上部ゲレンデは使用されていないことから深雪が積もりほうだいで、まさかの胸まで潜る降りラッセル!今回の山行で一番体力を消耗してしまったのであった。

まあ下界に戻ってしまうのが名残惜しくグダグダとのんびり1時間かけてスキー場を降り午後4時湯ノ湖公営駐車場に到着。

3人で無事帰還を祝い、隊長に下山メールを送信の後、湯元温泉の釜屋(ここは夜8時まで日帰り入浴できるのでお勧めです。料金は1,000円)でのんびり1時間も温泉を堪能し、今回の企画無事終了したのであった。



感想

大荷物を背負っての本格的雪山登山!避難小屋の寒さばかり印象に残ったけど、水の管理等で学ぶことも多かった。
せっかくハシにテントを担いでもらってきたので、テントを張った方が凍えなかったような気もするけどね。まあ〜今回の目的は厳冬期の避難小屋に泊ってみることだったので、目的は達成できたかな。

湯ノ湖〜前白根までは危険な場所も迷いやすいところもないので、我々のような雪山初心者の日帰入門コースとしてうってつけと思う。但し外山尾根の急登はそれなりにつらいけどね! 前白根から先は、ガスがでると迷いやすいところが何ヵ所があるので、その時は引き返して外山尾根でテントを張るのが得策かな。良いコースなので今度は天気の良い時にまた来たいと思います(^^)



3年前に弟と登ったレポ(前白根)はこちら⇒


娘と夏に丸沼高原から登ったレポはこちら⇒


12月に菅沼から登ったレポ(撤退)はこちら⇒



2012年01月08日


山行タイム

平成24年1月8日(日) 晴れ後曇り
09:00 日光湯元駐車場
09:30 日光湯元スキー場
10:00 外山尾根取付き
12:30 外山尾根鞍部
14:00 前白根山頂(標高2,373m)
15:00 五色沼避難小屋 
19:00 就寝             


平成24年1月9日(月) 晴れ後曇り時々雪
05:30 起床
06:00 朝食
08:00 出発(五色沼避難小屋)
09:40 日光白根山頂 (標高2,578m) 
11:30 五色沼避難小屋(昼食)
13:00 前白根山頂
15:00 日光湯元スキー場上部
16:00 日光湯元駐車場⇒温泉入浴(釜屋)




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