H23.4.30〜5.1 北ア涸沢山小屋箔(娘10歳)!


2011年04月30日

5:30 上高地〜9:00 徳沢
H23.4.30〜5/1 先日10歳の誕生日を迎えた娘と二人で、上高地から北アルプスの涸沢まで一泊二日の日程で登ってきました。
もちろん、娘と二人分の幕営装備を背負って登ることは、ちょっと無理なので、山小屋(涸沢小屋)泊まりである。


午前5:30 新宿発の夜行高速バスが上高地に到着!晴れ時々曇りとの週間天気予報は裏切られ、上高地は生憎の曇り空。2年振りの上高地バスターミナルであるが、多くの登山者で賑っていた前回と違い登山者は疎らで随分と閑散としている。東日本大震災による自粛ムードの影響だろうか?それとも、天候悪化を懸念してのことであろうか?


まあ、今回の山行の目標は北アルプスの山頂を踏むのではなく、涸沢カールから穂高の峰々を娘に見せてやることなので、予定通り決行することにする。
これまでの娘との登山で最長距離を歩くことになるこのミッション、成功させるポイントは、、「いかに娘の機嫌とモチベーションを維持するかである!」


そんな訳で、すぐに登山を開始するようなことはせず、まずは上高地観光センター2階の食堂(朝5:30に既に開いていた)でゆっくりと朝食を摂る。ここの洋食朝定食は750円と物価の高い上高地では、なかなかリーズナブルで内容もGood!トイレも清潔で登山準備に最適です(^^)


ゆっくりと朝食休憩に1時間かけた後、午前6:30 登山届を提出し登山開始!

まずは横尾までの長〜い11キロの林道歩きである。小梨平のキャンプ場を過ぎたところで、いきなり林道に雪!どうやら今年は残雪が多いようである。

カッパ橋〜明神〜徳沢の2時間行程は、天気は曇りであったが娘も上機嫌で、サクサク歩きなんなく消化!徳沢園にて娘にホットミルクを御馳走する!



2011年04月30日

10:00 横尾〜12:00 本谷橋手前
徳沢を出発しようとしたところで通り雨に降られたので、娘に持参したスキー用ズボンとカッパを着させる。多くの登山者がいる徳沢園前で娘に着替えるように命令したら娘に「パパだって人前でパンツにるの恥ずかしいでしょ、デリカシーがないよね!」と叱られてしまった。娘も既に小学校4年生、だんだん扱いが難しくなってきた!たぶん一緒に山に行ってくれるのも今年が最後ではないだろうか?

まあ、万全の雨対策を施してはみたものの、徳沢〜横尾間も雨に降られることもなく、午前10:00ほぼ計画通りに横尾に到着。

ここで、早い昼食(ラーメン700円)を摂り1時間、ゆっくり休憩する。ちなみにここから先は涸沢ヒュッテまでの3時間山小屋がなく、道もいままでの林道から登山道に変わるので、十分休憩し体力を回復させておく必要があるのである。



午前11:00 横尾大橋を渡る。横尾谷沿いの登山道は雪が多く、変化に富んでいるので、長〜い林道歩きにいいかげん飽きていた娘も、いくぶん緊張感を取り戻したのか、こぎみ良いペースで先頭をズンズン進む。

登山道はよく踏み固められているので、基本的には危険は感じられなかったが、本谷橋付近手前で何か所か、沢側が切れ落ちている箇所があるので、スリングとカラビナで娘を簡易確保しながら歩く。


天気は曇りであったが、風もな穏やかで屏風岩もよく見えるし、ここまでは順調の登山であった・・・



2011年04月30日

12:30 本谷橋〜15:00 涸沢カール
12:30 本谷橋付近に到着、今年は雪が多く横尾谷は完全に埋まっているので、吊り橋はまだかかっていない!本谷橋から涸沢カールまでが今回の山行の核心部である。既に4時間歩いて疲れた体に、標高差700メートル時間にして2時間の雪の急登が待ちかまえているのである。


ここで他の登山者と同じように休憩をいれる。チョコレートと水でエネルギー補給しているところに大粒の雨が降りだした。本日の天気は終日曇りのはずであったが、そこはやはり山の天気、残念だが雨の中の辛い核心部アタックとなってしまった。


横尾本谷と涸沢分岐点まで登ると、そこはおどろくほどの大規模な雪崩のデブリが谷を埋め尽くしていた。


なんとデブリの中に赤いペンキが塗らた登山道が通されているのである。横尾で休みすぎたためか既に登山者の姿は疎らであり、大規模なデブリと大粒の雨に娘も不安がっているので、
「左にカーブした谷を登ると、すぐに涸沢ヒュッテの鯉のぼりが見えるから大丈夫だよ!」と励ます。

が・・・、その後、あっというまに我々は真っ白なガスに包まれてしまい、涸沢のカーブを抜けても鯉のぼりどころか、他の登山者もまったく見えない状態になってしまった。視界は20メートル程だったと思う。しかも雨がいつのまにか雪に変わり、空を覆う重い雲は「ゴロゴロ」と不気味な音を唸り始めたのである!


強い風が吹き、アラレのように硬い雪が「氷のつぶて」となって娘の顔を襲う!慌てて娘に覆いかぶさるが、我ら親子二人真っ白な雪の世界に取り残されてしまったようで、私自身ひどく恐ろしく感じてきた。なかでもゴロゴロと不気味な音を奏でる雷が一番恐ろしく、娘はもう歩きたくないと泣きだしてしまった。

本谷橋から既に1時間登り、既に時刻は午後2時をまわっている。横尾に引返すか迷ったが、真っ白でまったく見えないものの、涸沢ヒュッテまでは1時間と横尾に戻るより近いはずなので、このまま登ることにする。


すると、
さーとガスが晴れて前方に涸沢ヒュッテの鯉のぼりの支柱(強風のためか、鯉のぼりは揚げていなかった)がはっきりと視界に入ったのである。時間にしてあと40分程で登れる距離である。しかも、我々二人だけしかいないと思っていた登山道にはまだ多くの登山者が同じように強い風と雪に喘ぎながらも登っているのがはっきりと見えたのであった。



2011年04月30日

15:00 涸沢テン場〜15:10 涸沢小屋
不思議なもので、視界が開けると同時に雷雲もどこかに行ってしまったようであり、娘も元気を取り戻し登山再開。
15:00には涸沢ヒュッテのテン場に到着。


涸沢のテント数は30張程度と例年に比べ随分と少ないようである。おいらも娘も既にクタクタなので、このまま涸沢ヒュッテに泊っちゃおうかと一瞬思ったのであるが、事前に涸沢小屋に予約をいれているので、最後の力を振り絞って北穂沢の急登にとりつき、15:10涸沢小屋に到着。


涸沢小屋の受付は、びしょぬれの登山者達でごった返していたが、予約をいれていた我々は優先的に受付をしてもらえたのであった。しかもなんと個室(5人部屋)を二人で使って下さいとのことである。涸沢小屋のスタッフのみなさん、ありがとう!(本日の宿泊客は60人程とかなり余裕があったようである。)


娘は、髪がビショビショに濡れて寒い寒いと言っているので、服を全部着替えさせると談話室のストーブで髪を乾かしに行かせる。その間に私は、濡れたものを乾燥室に運び込み、登山靴やアイゼン・ストックの手入れをする。


ひと通り荷持つの整理が終わり、談話室に行ってみると、ストーブで暖を取りすっかり元気になった娘は、アンパンを食べながら、他の登山者達と楽しそうに談話しているのであった。娘の面倒を見てくれた中高年登山者のみなさまにお礼を言い、私も談話に加わったところで、娘が眠いから寝てくると個室にひっこんでしまった。やっぱり相当疲れていたようである。夕食が17:00からなので、1時間程娘を寝かし、その間に私は山小屋の中をくまなく探検する。(おもわず山バッジを買ってしまった)



2011年04月30日

15:10〜 涸沢小屋の夕食
本来なら、涸沢小屋のテラスから前穂高岳がデーンと見えるはずなのであるが、生憎の天気で視界はご覧の通り!歩いて10分程の涸沢ヒュッテさえ見えない始末である。

17:00 山小屋の夕食は早い!オカズのポークソテーはとってもGoodでした!娘は先ほどアンパンを食べてしまったせいか、あまり食欲がなかったのでほとんど私が食べてしまった。

食事をするとやることもないので、すぐに娘と布団に入ったのであるが、我々の部屋は談話室の隣であった為、若者達の大きな笑い声が午後9時の消灯時間まで続き、結局眠れたのは9時過ぎであった。(眠れないので2時間ほど娘の小学校の先生やお友達の話しを聞いて過ごした。娘とこんなに長い時間話をしたのは初めてだったと思う)



2011年05月01日

7:00 涸沢カール〜8:30 本谷橋
翌5月1日は午前4時に目が覚める。まずは乾燥室の衣類を回収したのであるが、生乾きのものがほとんどであった。日の出を待ち外の天気を確認するが、残念ながら濃いガスと大粒の雨!最悪のコンディションである。

朝食は5:30からなので、急いで娘を起こしたのであるが、髪をとかすやら顔を洗うやらで時間を要し朝食に10分も遅刻してしまった。
(子供でも女子は身だしなみに時間がかかるのである!ケッ)

寝起きの娘に食欲があるか心配であったが、意外にも起きてすぐにモリモリと食べてくれたのでひと安心であった。



午前7:00 小屋のスタッフにお礼を言い、完全防水装備で涸沢小屋をあとにする。娘の機嫌も体調も上々であるが、本谷橋までは意識してゆっくりと降る。

シリセードで滑り降りることを楽しみにしてきた娘であったが、雨を含み重くなった雪ではまったく滑ることができず、猛スピードで滑り降りていくBCスキーヤー達をうらやましくながめるのであった。

降りは特段問題なく、午前8:30本谷橋付近到着!こうして本日の核心部は早々にクリアしたのであった。



2011年05月01日

10:00 横尾〜15:00 上高地
二日目も終日雨であったが、横尾〜徳沢〜明神の各山小屋ではゆっくりと休憩をとり、のんびり時間調整しながら歩き15:00にカッパ橋到着。

16:30発新宿行の高速バスまでは1時間30分も余っているので、娘の最大の楽しみであった上高地でのおみやげの物色に1時間費やし今回の山行も無事終了したのであった。


感想

娘が6歳の時から一緒に登山に連れ出すようになったのであるから、子供と登山のレポも無事に5年目を迎えることができました。
昨年はおいらが色々と病気してしまい、あまり山に行くことができなかったので、今回の山行はかなり熱を入れて企画したものであるが、悪天候もあり娘には今までで一番つらい登山になってしまった。ひたすら展望もない雪と雨とガスの中を歩くといった今回の登山、娘にはどんな記憶となって残るのであろうか?

本当に娘にはすまないことをしたと思っていたのであるが、出会った登山者の皆様から、「この歳では普段経験できないことを経験できたのであるから、かならず意味があるよ。」と言ってくださったのがせめてもの救いである。




H20.5.4〜5.5 家族で上高地のレポはこちら⇒

H21.5.3〜5.5 涸沢〜北穂高岳のレポはこちら⇒



2011年05月01日

山行記録
1日目 行動時間 8時間40分(6:30〜15:10)

05:30 上高地バスターミナル到着【バスターミナル2階食堂にて朝食 5:30〜6:30】
06:30 登山開始
06:35 カッパ橋
07:20 明神到着【明神館ベンチにて10分休憩】
08:30 徳沢到着【徳沢園にて30分休憩 娘にホットミルクを御馳走】
09:00 徳沢出発
10:00 横尾到着【横尾山荘にて1時間休憩:昼食にラーメンを注文】
11:00 横尾出発
12:30 本谷橋付近(つり橋無し)
15:00 涸沢ヒュッテのテン場に到着
15:10 涸沢小屋(泊り)
17:00 夕食


2日目 行動時間 8時間00分(7:00〜15:00)

05:30 朝食
07:00 涸沢小屋出発
08:30 本谷橋付近
10:00 横尾到着【横尾山荘にて1時間休憩:昼食にカレーと親子丼を注文】
11:00 横尾出発
12:00 徳沢到着【徳沢園にて30分休憩 娘に紅茶を御馳走】
12:30 徳沢出発
13:30 明神到着【明神館にて20分休憩 娘に甘酒を御馳走】
13:50 明神出発
15:00 カッパ橋
21:50 新宿駅
23:00 帰宅




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