H21.6.7 谷川岳トマの耳(娘8歳)!


2009年06月07日

7:26 天神平山頂駅! このあたりは、雪はほとんだありませんでした。
メンバー  たけお&娘(8歳)

コースタイム

07:30 天神平スキー場(標高1,310m)

08:20 熊穴沢避難小屋(標高1,460m)

09:00 天狗の留まり場

10:00 肩の小屋(休憩 昼食)

11:00 山頂(トマの耳 標高1,963m)

13:30 熊穴沢避難小屋(休憩)

14:30 天神平スキー場

昔、テレビでみた初夏の谷川岳はスバラシイの一言であった。新緑と青空と残雪!そして可憐な花々!私の住む関東平野部では決してありえない風景をむしょうに子供に見せたくなった。

ちょうど去年三本槍岳に登っていらい、娘は「また、木のうえの山に登りたい!」(※たぶん、森林限界の山のことだと思う)と生意気なことを言っているので、ロープウェイを利用しての天神尾根からの、谷川岳お手軽登山を計画したのである。もちろん、新緑と残雪のホルスタイン模様の山肌にたたずむ娘を想像しながらである(^^)

5月だとまだ雪が多く子供には危険なのであるが、6月上旬の梅雨に入る直前のこの時期であれば雪もほぼ溶けているので、子供でも登れるのである。もっとも、全部溶けてしまうとホルスタイン模様も拝めなくなるし、登山者も増えるので雪が若干残るこの短い期間にどうしても行きたかったのである。

あとは天候であるが、関東と北陸の分水嶺にあたるこの山は天気が良いことはめったにないので、ここが一番重要なのである。

ここ一週間は関東も北陸もぐずついた天気が続いていたのであるが、日曜日には天気が回復することをYahoo天気で確認、遂に計画を実行することにしたのである。前日の土曜日には娘とお菓子を買いに行き、娘の気分を盛り上げる。さて装備であるが、天気予報では暑くなるようであるが、なにぶん上越国境の天気の不安定な山である。色々なアクシデントを想定し防寒具をはじめアレモコレモと詰め込んでいくうちに、私の装備は30Lザックには入りきれず、45Lザックを担ぐ事にした。

午前4時、車のリヤシートに寝ぼけている娘を詰め込み自宅を出発!
太田まで延びてきた北関東自動車道経由で水上インターに向かう。以前だったら北関東自動車道など決して乗らなかったと思うけど、ETCてすばらしい!午前6時過ぎには谷川岳ロープウェイ立体駐車場に着いてしまった。

高速道路上で向かえた日の出は見事な朝焼けで関東地方は久々の快晴!これはいけるかなと喜んでいたが、さすがは上越国境分水嶺の谷川岳である、水上に着いた時点で谷川岳山頂はスッポリと真っ白な雲に覆われていた。
多くの登山者と同じように午前7時始発のロープウェイにゾロゾロと乗り込む、女の子と父親だけの登山ペアは珍しいのか、多くの方から声をかけられた。

10分程で山頂駅に到着すると、ロープウェイを降りた登山者の半分くらいは、そのまま天神尾根まで昇がれるリフトに乗換えていく。私も当然のようにリフトに乗ろうと思ったのだが、驚いたことに娘が「山登りにきたのだから、リフトには乗りたくない!」と言い出した。山登り3年目を迎え娘の意識も随分と立派になったものだと感心する。



2009年06月07日

8:25 子供はこんな場所が大好き! 親はハラハラですけどね(^^)
そうかそうかとヤル気まんまんの娘に感心し、こうして田尻尾根から熊穴沢避難小屋に向かう登山道を歩き始めた。このあたりは木道が整備されており、傾斜も緩くさっそくシラノアオイの大きな花の群生が我々を迎えてくれ、娘も大喜びであった。

1箇所だけ鎖場があるものの、特段危ない場所もなく50分程で熊穴沢避難小屋に到着。ここで、水分補強の小休止をし、急な尾根道に取り付く。すぐにロープが架けられた急登が現れるが、ここはアスレチックの要領でなんなくクリアする。このあたりから、斜面に残る雪に娘は大喜びである。

但し、今年は寡雪だったらしく、例年より残雪はかなり少ないとの話であった。イワカガミやイワウチワ等の小さな花々が登山道の至るとこりに咲いており、見つける度に娘は夢中になって眺めはじめるので、登山は超スローペースである。まあ、今回は時間はタップリあるので問題ないのであるが、いっこうに雲がなくならない山頂の様子と、早い雲の動きが気になる。



2009年06月07日

ホルスタイン模様の山肌をバックに記念写真!
このあたりまでは、風もなく快適な登山が続く!



2009年06月07日

8:45 谷からにょっきりと突出た関越トンネルの通風塔!
午前9時、天狗の留まり場付近から既に雲の中に突入し、視界が悪くなる。寒いと言いはじめた娘に、フリースとカッパを着せ、去年の男体山で学習し、今回はザックに詰め込んできた子供用手袋を着けさせる。

その後の1時間程の尾根歩きは、早い雲の動きで視界がめまぐるしく変わる不思議な世界を進み、やがて雲の中から雪渓が現れる!



2009年06月07日

9:54 果敢に雪渓に取付く娘!
雪渓はガスで視界が悪く、どれほど続いているかわからないが、しっかりとしたロープとステップが切ってあるので、娘の靴を長靴に履き返させ雪渓にとりつく。

娘を先頭にガシガシ登ると、なんてことはなく30メートル程で雪渓はなくなり、雲の中から肩の小屋が現れる。後でわかったことであるが、先のみえなかったこの雪渓で引き返した登山者もけっこう多かったようである。

雪渓を登る動画⇒



2009年06月07日

9:58 ガスの中から突然現れた、肩の小屋!
さて、待望の肩の小屋には午前10時到着! 雪渓のあたりからものすごい風だったので、小屋の中はまるで天国である。小屋は無料休憩所と売店の2箇所に別れているのであるが、娘が小屋に入ると多くの登山者が「おじょうちゃんすごいね〜」と誉めてくれるので、悪天候でかなり疲れてきた娘も幾分元気を取り戻したようである。

午前10時で時間的にはまだかなり早かったが、娘がお昼ご飯を食べたいといい始めたので、お昼にすることにした。
小屋(売店エリア)内ではさすがにガスは使用できないので、外にお湯を沸かしにいこうとしのであるが、親切にも売店のおじさんが、内緒でお湯を分けてくれた。おじさんありがとね(^^)



2009年06月07日

11:00 山頂の展望はゼロ なぜか正坐する娘である。
持参したカップラーメンで簡単な昼食をとり40分程休憩した後、ここから5分程のトマの耳に向かったのであるが、あたりはガスに覆われ視界は5メートルもない。はっきりいって山頂にいっても何も見えないのはわかりきっているのであるが、はやる私は娘に「早く早く、もうすぐ頂上だ!ここの頂上は二つあるんだぞ!」と急き立ててしまったのである。

一方、小屋で休みすっかり気が緩んでしまった娘は、突然「頂上には登らない!登りたいなら、パパ一人で行ってきて!」と言い放ち、座り込むと砂遊びを始めてしまった。場所にして、西黒尾根に降る登山道分岐点あたりであるから、まさに山頂(トマの耳)はもう目と鼻の先であるが、まったくへそを曲げてしまい動く気配なし。無理やり登らせて娘と喧嘩するわけもいかず、こちらも近くの岩に座り込み長期戦の体制に入る。

他の登山者は山頂目前で座り込んでいる我ら親子を不思議そうに思いながら通り過ぎていく。なかには「おじさんがオンブしてあげるから、一緒に登ろう!」と言ってくださる方もいたが、当然のことながら丁寧にお断りさせていただいた。

そのうち山頂からの笑い声が聞えてくると、娘の気分も幾分変化してきたのか、「やっぱり登る!」とゆっくりと歩み始めたのであった。
さて、山頂(トマの耳)に到着したのはちょうど午前11時、当然のことながらガスで視界ゼロ!
なぜが他の登山者は誰もいず、我ら二人だけだった。娘があまりにもマチガ沢方面の岩に登るものだから(本人はガスでなにも見えないから、そちら側が絶壁になっていることがわからないのである!)、5分程で早々に山頂から降ることにした。



2009年06月07日

11:19 今回の山行、雪渓の下りが一番緊張した。
娘の気分も天候も晴れていないことから、今回はもう一つの頂上であるオキの耳に行くことはあきらめて、肩の小屋に戻ることにしたのである。
(オキの耳は天気の良いときに改めて、娘と登りたいと思います(^^)。

さて、下山時に肩の小屋で再び休憩しようと思っていたのであるが、意地を張ってしまった娘はズンズンと雪渓の上まで降ってしまった。さて、今回の山行一番の難所である雪渓であるが、帰りもゆっくりで時間はかかったものの娘は私の補助を拒絶し自力で降りてしまった。(登山者のみなさん、渋滞させてしまったにもかかわらず、応援していただきありがとうございました。)



2009年06月07日

14:06 最後の鎖場!
さて、天狗の留まり場まで降りてくると、ガスはなくなり視界は一気に広け、いままでの寒さも嘘のようである。このあたりから娘の機嫌もすっかり直り、二人で「しりとり」をしながら仲良く下山する。



2009年06月07日

14:24 山頂はスッポリと雲の中!
13:30 熊穴沢避難小屋に到着、ここでガスバーナーでウィンナーを焼き2回目の昼食タイムをいれる。
ちょうど同席した年配のおじさん達が、「オキの耳にオレンジの木があって採ってきたんだよ!」とオレンジを1個娘に渡してくれた。

実は、このおじさん達は肩の小屋で休憩した折、隣りの席で休んでいた方々だったのですが、娘がオキの耳に登ってくるのを楽しみに頂上で待っていたのだそうです。しかし、娘はこなかったので心配していたんだよと話してくれました。

娘は「頂上で採ったオレンジに何で、シールがついてるの!」といじわるな顔で言い返し、おじさん達を喜ばしていました。おじさん達にお礼を言い、熊穴沢避難小屋からは1時間程で天神平スキー場に到着。スキー場の展望レストランで娘にソフトクリームをごちそうして、今回の山行も無事終了したのであった。



感想

山頂では天気に恵まれず、強い風と寒さで娘には辛い登山になってしまったと思ったが、帰宅後娘に感想をきくと、色々な花が咲いていて楽しかったとのことであった。
子供は大人とまったく違った視点から山を楽しんでくれたようである(^^)

今回の山行は、娘に登頂させることにこだわってしまった自分がひどく恥かしく感じてしまった!



2009年06月07日

今回の山行で娘が見つけた花々!
シラネアオイ



2009年06月07日


ムラサキヤシオ



2009年06月07日


イワカガミ



2009年06月07日


イワウチワ



2009年06月07日


シヨウジョウバカマ




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