6/28〜6/29 本格的沢登り+渓酔渓泊!


2008年06月28日

この後、足を滑らせ・・・・・!
  本格的沢登り+渓酔渓泊!

  メンバー hebereke隊長 kimuhiro氏 たけお

 今回は、hebereke隊長企画の、1泊2日の沢登りツアーに参加した。
ルーファンしながら泳ぎ・空中懸垂・岩登りを駆使しゴルジュを突破し、焚火宴会に幕営と、およそ沢登りのすべてが満載された欲張りツアーである。

もっとも、かなり過激なツアーであり、ザックは完全防水、ハーネス、下降器、ロープ等完全装備で望むことになった。梅雨真っ只中であったものの、28日は快晴に恵まれた。

しかし東シナ海から熱帯低気圧が接近しており、翌日はかなりの雨量が予想される。初日にゴルジュを突破し、2日目は広川原から尾根を一つ越えて帰る予定であったことから、まあ問題なしとのことで決行することにした。ただし、もしもに備え、hebereke隊長が登山届を警察署に提出することにした。

荒れた林道を、hebereke隊長のジムニーで突破し午前7時、車止めに到着。幸いなことに先行者無し、
2日間の沢遊びの開始である。各々が登擧装備のチェックをする。

共同装備 
hebereke隊長  ロープ 8mm×30メートル 火器
kimuhiro氏    ロープ 8mm×30メートル ビリー缶
たけお       タープ ツエルト

個人装備  
ハーネス、エイトカン、カラビナ、スリング、ヘルメット、シュラフ
シュラフカバー、マット、着替え、雨具、酒、食料、笛、コンパス



2008年06月28日

おいしい写真ありがとう!
堰堤を2つ越えると、噂にきいた第1〜第5に及ぶ長大なゴルジュ帯に突入である。
今回は、泳ぎを覚悟してきたのであるが、何故かゴルジュ突入前の何でもない釜でkimuhiro氏がドボンし、本レポートのネタを提供してくれた。

kimuhiro氏とは初対面であるが、私と年齢はいくらもかわらないものの、登山暦25年のベテラン登山家であり、山スキーを中心としたHPを公開している。彼の山岳硬派系HPは読み応えがあり、共感できる面も多く、とても親近感がわく方である。なんといっても、今回のような登擧器具をフルに使用する沢登りでは、本当に心強い人なのである。



2008年06月28日

噂の○○クラガリ!
第1ゴルジュは、2段の滝である、ツルツルで直登は難しいそうなので、左岸を高巻いて突破する。踏跡があり下降点にはトラロープがかけてあったが、あまり信用できないので、立木を利用しながら慎重に下る。

下降すると、しばらくはひらけているがすぐに第2ゴルジュがあらわれる。切立った岩壁の奥に5メートルの滝がある。水量は少なくみえるが、絶対直登出来そうもないので、これも左岸を高巻くことにする。(もっとも私は、今回この沢3度目の隊長に着いていくだけであるが(^^)



2008年06月28日

セミになった隊長!
このルートが無茶苦茶大きく高巻かなければならず、しかも足元はぐちゃぐちゃの落ち葉の枯土で、かなりやばい、今回一番危険な場所と思う。いいかげんいやになる程高度を上げてからのトラバースとなるが、足元が悪いことから、ここで3人でアンザイレンする。

ベテラン二人が初心者の私を挟むかっこになったが、先頭と後方の2本のロープを一辺にさばくのに夢中になり、段々と高度感が麻痺していくようで、休憩時には、立木でかならずセルフビレイをとるよう隊長から度々注意をうけた。

距離にして100m程トラバースした後、今度は谷まで懸垂下降することになった。隊長とkimuhiro氏は足場の悪い半畳程のスペースで、手際よく30mロープ2本を直径20cm程の立木にスリングを通してセットし谷に投げ落とした。上からだと底が見えないが、高度は20m程と思われる。

hebereke隊長は、「ほんじゃ、お先!」と、スルスルとさっさと下降してしまった。2番手が私であるが、kimuhiro氏のアドバイスのもとエイトカンをロープにセットし、セルフビレイを解除した途端、今まで感じたことがない恐怖が全身を走り抜けていった。



2008年06月28日

たけおの懸垂下降(腰がひけている)
初めての空中懸垂下降、20メートルの絶壁の恐怖! ビレイは直径20センチ程の立木のみ、まさに命預けていますて感じある。恐る恐るゆっくりと左手の握りをゆるめて下降を開始する。

着地地点を覗き込むと、先に下降した隊長がロープを張りバックアップ体制をとってくれていると思いきや、隊長は既に鼻歌まじりでテンカラ竿を振っているではないか! 「ちょっと待ってくれ、こっちは初心者なんだよー」と声にならない叫び声をあげる。

こうなると、どうしても右手に力がはいってしまう。この恐い懸垂下降をさっさとおわらせたいのだが、腕に力がはいると、当然エイトカンの制動がききすぎて、ちっとも下降できないのである。このまま、蓑虫のようにぶら下がっていてもラチガアカナイので、意を決して下降を再開する。

時間にしていくらでもないが、着地したときには、へろへろになっていた。下降後、ロープからエイトカンをはずそうとすると、エイトカンが、焼けるように熱くなっており、体重67キロ+ザック15キロを制動する摩擦力の大きさに今更ながら驚かされるのであった。



2008年06月28日

kimuhiro氏の懸垂下降!
さて、登山暦25年のkimuhiro氏は、さすがスペシャリストらしく、スルスルとなんとも簡単に下降してきた。どこかにノッキングしたのかロープの回収に少々てこずったものの、これでどうにか第2ゴルジュ突破である。時刻は10:30、釣りをしながらであるがなかなか良いペースとのことである。



2008年06月28日

やってきました、噂のゴルジュ!
第3ゴルジュは左岸のバンドを進み、切株を支点に5m程の懸垂下降をして突破である。切株の支点はロープが緩むと外れそうで恐かったが、シンガリのkimuhiro氏が確保をとってくれたので、安全に下降することができた。



2008年06月28日

ルート工作中、水深は前回より浅めとのこと!
続く第4ゴルジュはチョックストーンの滝を隊長が胸まで浸かりながら直登し、スリングをセット。後続の我々はザックピストンの後、お助け紐で楽々突破である。



2008年06月28日

ヤモリ顔負けの吸盤で、岩に吸付く隊長!




2008年06月28日

今回一番気に入った写真!
チョックストーンを登る隊長はむちゃくちゃカッコ良かった!やっぱり、沢登りは男らしい直登がかっこ良いのである。

しかし、この時点で当然であるが、3人とも全身びしょ濡れ状態である。既に入渓地点でドボンし、体脂肪率一桁台であるkimuhiro氏に至っては、ブルブルと震えがとまらず、低体温症一歩手前のようである。このあたりで焚火でもしたいと思ったが、遡行はまだまだ続くのである。



2008年06月28日

曳航中(これは、かなり楽しい!)
ここからはしばらくは渓相も穏かになるので、各々竿を出し宴会の肴確保タイムとなった。
そして、最後の第5ゴルジュは両岸が切立っていてしかも廊下の水深もけっこう深いし流れも強い。
これを突破するには、1名がロープを背負って泳ぎきり、後続をロープで引っ張る他ないのである。
ここで、民主主義的に多数決で突撃部隊を決めることにしたのであるが、メンバーは三人なので多数決をとるまでもなく、雰囲気を察した隊長が自ら流れに飛び込んでくれたのであった。



2008年06月28日

水線突破中!
隊長は若かりし日、水泳の選抜選手であっただけあり、難なく流れを突破してくれた。岩の上に立つ隊長は、まさに我らのヒーローである(但しデビルマン系であるが!)
さて、残されたkimuhiro氏と私はザックをビート板代わりにロープで曳航してもらい、またしても楽々突破である。



2008年06月28日

kimuhiro氏の男メシ(魚肉ソーセージのニンニク炒め!)
こうして、今回の核心部は無事突破したのである。その後も空身で岩を登らなければならない場所が2箇所程あったのであるが、呼吸があった3人のチームワークで難なく突破し15:00には目的としていた天場に到着した。

さっそく、持ち寄った酒類を沢で冷やすと、宴会場と寝床の設営である。
幕営の中心的存在となる火床はkimuhirosi氏が慣れた手つきで大きめの流木を並べて作成し、その後は薪を山のように集めてきた。隊長は手早くイワナの刺身を作り、火を起す。

私は寝床となるタープの設営し、近くに平らな石が転がっていたので、これをテーブルにすることにした。こうして各々が各自やるべきことを、打合せることもなく、すばやく黙々とこなしていく! 私の大好きな漢(オトコ)の時間である。



2008年06月28日

イワナのお刺身!
16:00まだ明るいものの宴会のスタートである。
ビールで乾杯の後、kimuhiro氏の自慢のフライパン(ビリー缶の蓋)料理が次々と現われた。
ソーセージのニンニクごま油炒め、イワナのニンニク炒め、サラミの串焼き風、キムチ等、どれも男の料理といった感じで酒の肴に最高である。 隊長のイワナの刺身(こいつはkimuhiro氏が釣上げたもの)もコリコリとして臭みもなく最高である。



2008年06月28日

楽しい焚火宴会!
遠火でじっくり燻したイワナの塩焼は家で食べるそれと比べると数段上の味にしあがっている。贅沢なことに焚火で焼枯したイワナを骨酒にし回し飲みをした!これも私は初体験であったが、イワナのだしがなんともいえず酒をまろやかにした。酒はビール、焼酎、日本酒、ワインとkimuhiro氏のザックからいくらでもでてくるので(まるでアルコールの4次元ポケットである、荷物の半分は酒らしい!)、焚き火を囲んでの楽しい宴会は、やがて夜の帳に包まれていった。



2008年06月28日

渓流の夜と焚火!
20:30、等々私は睡魔にかてず一足先にタープの下の完全防水仕様の羽毛シュラフにもぐり込み夢の人となった。驚いたことに隊長とkimuhiro氏はその後24:00頃まで焚火を囲んで呑んだくれていたようである。



2008年06月28日

おにぎりの味は、この顔から想像して下さい!
午前4時、「激しい雨音」と「隊長のうめき声」で目を覚ます。既に空はうっすらと白らやんでいたが、タープをつたった雨だれが、ちょうど隊長の頭上の岩にあたり、無数の水滴となって隊長の顔にシャワーを浴びせていた。あきらかに二日酔い状態の隊長にはちょうど良いモーニングコールのようである。

とりあえず、3人とも、もそもそとシュラフから這い出し、kimuhiro氏がいれてくれたレギュラーコーヒーと昨日の夜に隊長が握ったオニギリで朝食をとった。

しかし、昨日隊長が焚火で焚いたオニギリを1個もらった時は抜群にうまかったはずであったが、朝食べたそれは、既にオニギリの容すら留めておらず、味もとても食える代物でなかった。(ちなみに私が食べたものの具は(鮭× イワナ○)であった。

Kimuhiro氏も隊長も、おにぎりをワカメスープに突っ込んで雑炊にして無理やり胃袋に流し込んでいたので、隊長には悪いが、私も雑炊にして食したのであった。



2008年06月29日

尾根越でルーファン中のhebereke隊長!
さて、撤収である。毎度のことながら雨の中のパッキングは気分がよろしくない。隊長もkimuhiro氏も手早く撤収し、私は最後尾を忘れ物がないか確認後、一夜の宿の礼をし、幕場を後にした。

さて2日目は渓を1時間程遡行したが、特段難しいとこもなく無事広川原に到着。ここからが、本日の核心の尾根越えである。不明瞭な踏跡やテープを頼りに高度を上げていくが、雨でぬかるんでおり、ある意味昨日のゴルジュより怖かった。

ズンズン先頭を進む隊長に引き離されないようついていくのが精一杯であったが、常に後ろからフォローしてくれるkimuhiro氏がなんとも心強かった。9:40鞍部に到着、ここで小休止の後、今度は下りである。

下りは途中から完璧に踏跡を見失ったが、そんなことおかまいなしにどんどんルーファンしていく隊長のおかげで、10:30無事林道に到着。その後1時間の林道歩きを経て今回の沢遊びも無事終わりをむかえることとなった。


1日目は快晴、2日目は終日雨となったが、ベテラン二人に同行させてもらったおかげで、色々な体験をさせてもらうことができた大変有意義な2日間であった。

今回は食材確保のためイワナ釣りも楽しんだのであるが、それなりの装備、技術、体力がないと危険な沢であることから、釣りのレポはあえて書きませんでした。もちろん場所も内緒です。

イワナが釣れる沢 = 一般の釣人が行けない沢 = 危険な沢 ⇒ 無理して入渓 ⇒ 事故
の方程式が成立つからである。 

もっとも、自分の技術・装備・体力にみあった遊びをすれば良いだけで、ルールを守り他人に迷惑をかけないかぎり、遊びは自由と思うのであるが(^^)

多分今年一番の沢遊びになったと思います! Hebereke隊長、kimuhiroさんおつかれ様でした!

hebereke隊長のレポはこちら⇒




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