8/26 秘密の沢と不思議な仲間達!


2007年08月26日

今回一番気に入った写真!
8月26日(土)は、嫁の親父さんが勤める会社で「地引網安&海鮮バーベキュー」を千葉外房で開催するとのこと。娘家族として我家も三人で参加させてもらうはずであったが、直前になって一家族5人までとの制約があることが判明!私に辞退してくれと、嫁のお袋さんがすまなさそうに電話してきた。一応残念な振りをしたものの、内心「ヤッターこれで二日間自由時間をゲット!」うれしくてたまらない!私はどちらかというと、海より山であり、川である。

どこに行こうかと地図をながめている、まさにそのタイミングで、先月相互リンクをはらせてもらった、Heberekeさんより、オフ会のお誘いをいただいた。もちろん二つ返事でOKである。しかし、その後heberekeさんから送られてきた1/25,000地図付の遡行計画は、あまりにもハードなものであった。はっきり言って私では日没までに車に帰り着くのは、ほぼ不可能である。

今回は、heberekeさんの「秘密の沢」とのことなので、詳細は書けないが常人では考えつかないルートである。しかしながら、いきなり弱音をはくわけにもいかず、密かに先行者がいて、別ルート(heberekeさんは、先行者がいる場合も考えて、第三計画まで立案)の半日コースに変更されることを密かに期待するのであった。



2007年08月26日

懸垂下降準備中!
前日の午後11時に自宅を出発、途中仮眠をとり、午前4時30分に待合わせ場所の車止めに到着した。先行者の車はなく一番のりである。(これで、あの無茶な遡行計画が実行されることが確定!不安がよぎる!)。

待合わせ時間である午前5時ちょうどに、heberekeさんが到着。車からおりてきたその人は、頭をほぼボーズに刈り込んでおり、まるで「お勤め帰りの人」のようである。かなり恐そうな人なので、ちょっとたじろいだが、挨拶をしてみると、意外と優しい声の持主であった。

そしてちょうど、その時であった!いきなり軽自動車が我々の真横のスペースに止り、不機嫌そうな二人組みが降りてきた。「どちらの沢ですか?」と恐る恐るたずねると、我々と同じ沢との回答。
(うう、これはまずいことになった!)

彼らの話しによると、この車止めには午前4時に一番乗りで到着。撤渓ポイントに車一台をデポして帰ってみると我々がいたとのこと。なるほど、これでは納得いかんだろうと思いながらも、こちらも「それでは、どうぞどうぞ!」と簡単に譲るわけにもいかず、その場の雰囲気はひどく緊張してきた。とりあえず、その後ひょんなことから一日を共にするこの二人組には「爆走オヤジ」「山岳ボーダー」とあだ名をつけることにします。



2007年08月26日

水量は少なめ!
お互い、相手の立場もわかりながらも、引けない状況となり、雰囲気はますます緊張していく。私は心配になり、ちらりとheberekeさんの顔をみやると、「うむいわさず、二人ともザイルで縛っちまうか!」と目で合図しているように思える。が、・・・よくみると、暴走オヤジの腰には「どでかい鉈」がぶらさがっているし、山岳ボーダーの車の中には、直径3cm程もある鉄棒がころがっているではないか!一応ドカヘルをかぶっているが、あの重そうな鉈なら・・・・、そして、あの鉄パイプで足を掃われたら、150メートル下の谷底へ一直線!イワナのエサ間違いなしである。どうにもならない状況に陥ったと思ったその時であった。山岳ボーダーが、「あれ、先日会った人じゃん!」とheberekeさんに話しかけた。どうやら、先日沢で出会った折りheberekeさんに、この場所を紹介されたとのこと。「2度も会うとは、これも縁、4人で一緒にどうですか!」heberekeさんの機転をきかせた一言で、「キューバ危機」のような緊張した雰囲気は急速に和らぎをみせ、「それは、道案内もしてもらえるし、願ってもない。」と爆走オヤジの険しい顔が、いつの間にか恵比寿顔に変わっていた。こうして、即席初対面4人パーティーが結成されたのである。

メンバーは以下の通りである
隊長heberekeさん     40代  ルアー釣り  特技  ルートファインデイング!
副隊長爆走オヤジ      50代  えさ釣り    特技  ぶどう虫と会話ができる(らしい)!
隊員その1山岳ボーダー  30代  フライー    特技  谷川岳ボード直滑降!
隊員その2たけお      30代  えさ釣り    特技  転倒(よく転び、魚を散らします)!

注:隊長以外の特技はまったく、今回の釣行には役に立ちません!



2007年08月26日


沢登りの装備は一通り持ってきたので、hebereke隊長にハーケンが必要な場所があるか、尋ねると多分必要ないがお守りがわりにもっていけとの回答。ハーネスにヌンチャクとハーケンを3枚着けてルンゼを下降する。が、途中、ハンマーを忘れれ来たことに気がつく。かっこ悪いのでだまっているとhebereke隊長より「ハンマーどこ?」、「すいません、車です!」本当にお守りになってしまった。

hebereke隊長のルートファィンデイングのもと、懸垂下降で無理やり秘密の沢に下降。
夏場の沢はやはり水量が少ないが、とびきりの美渓が我々の前に現れた。さっそく、爆走オヤジが竿を出すと一投目から6寸程度のイワナを釣上げる。ルアーのhebereke隊長は竿を出すどころか、まだザイルを片している合間である。私も負け時とぶどう虫をえさに打ち込むと、さっそくアタリ!しかし気負いすぎたのかバラシてしまった。その後すぐにアタリがあったものの、釣れたのはチビイワナである。

そして振り向くと、hebereke隊長のルアーがすごいことになっていた。隊長のスプーンに向かい、10数匹のイワナが突進してきているのである。まるで、「対馬沖にだんご状態で突入してきたバルチック艦隊」のようである。私は生まれてはじめて、あんな羨ましい光景を見た!hebereke隊長は「ウオー、オモシレー」と爆釣モードである。一方、エサとフライの残り3人の竿には、イワナ達はまったく無反応!



2007年08月26日

泣き尺イワナ!
不思議である。沢にはイワナが群れているにもかかわらず、ルアーだけに反応するのである。そんな中でも、爆走オヤジは7メートルという源流釣行では常識はずれの長竿を巧みに使い、ねばりの釣りで着実にイワナを釣上げていった。

私の場合、打ち込むとエサの直前まではイワナが現れるのだが、食いつかず直前Uターンである。爆走オヤジにこの状況について尋ねると、「こちらからイワナが見えるということは、イワナからも、こちらが見える。だから、俺は長竿で自分の気配を消して釣るのだ!」との話。なるほどと思いながらも、簡単に自分のスタイルを変えることもできず、私はこの後も釣れない厳しい遡行が続く。

一方で、hebereke隊長は大きな釜で、泣き尺イワナをいとも簡単に釣上げた。ルアーは遠くから狙えて、パワーもあることを目の当たりにする。最後は私がタモですくいあげた(けっこう緊張しました)が、隊長は写真撮影後、惜し気もなくリリースしてしまった。「うーもったいない、そしてカッコイイかも!」



2007年08月26日

作戦会議中!
こんな、ルアーのみ絶好調の釣りであったが、ある場所を境に突然アタリがぴたりと止んだ。そして、すぐに我々以外の濡れた足跡を発見し、先行者の存在に気がつく。つかの間の作戦会議の後、hebereke隊長がだした答えは、一同竿をたたみ沢の分岐点まで釣りを諦めるとのことであった。その後の遡行スピードはすごかった。特に爆走オヤジはネオプレーン製のウェダーを履いており、辛そうである。しかし大丈夫かと心配する余裕はこちらにもなく、ついて行くのが精一杯であった。



2007年08月26日

長竿を巧みに操る、爆走オヤジ!
何本かの滝や堰堤を高巻き、沢の分岐点に到着。隊長と山岳ボーダー二人は先行者が右の沢に入ったのを確認に行った。そして我々は左の沢へ、すると呆れたことにあれほど「ハアーハアー」していた爆走親父がニコニコと一番に竿を出している。このオヤジ実は相当の体力の持ち主では?やっぱり「あの腰の鉈は只者ではない証」だろう!こうして、再び釣再開。



2007年08月26日

洗練された動きの、山岳ボーダーさん!
渓相も釜の連続から、明るい瀬に変わり、フライの山岳ボーダーは「やっと俺のフィールドだ!」と嬉しそうである。先日45センチのイワナを釣ったとの話で、彼も相当な腕前であることは、その洗練されたスタイルから想像できる。フライは放物線を描いて毛鉤を飛ばすものと思っていたが、彼の場合は、水面と平行に糸が伸びていくのである。こいつは見ていると飽きない、はっきりいって自分の釣れない釣り(単に腕が悪いだけです)を続けるより、人の釣を見ていたほうが断然面白くなってきたのである。しかし、3人とも釣れない私に気を使ってか、絶好のポイントが現れると、私に薦めるのである。これは拷問で、竿を出したときのあのプレッシャーときたら、とても耐えがたい。(私は提灯釣りの為、滝壷や大きな釜は苦手なんですよ!)絶妙のポイントを与えられても私の竿は無反応なのである。しかし、何度かのチャレンジにより、やっと私もお持ち帰りサイズを1匹ゲット。これで、竿を仕舞いフライ見物に専念することに!



2007年08月26日

エサ釣りに転向!
その後は、沢はゴーロに変わりさすがにルアーで狙うのは厳しくなったのか、hebereke隊長が突然エサ釣りを始めた。「これで、簡単に釣られたら私の立場がありませんね!」と冗談で話していると。隊長はテンカラ竿につけたぶどう虫でたちまち7寸程度のイワナを釣上げてしまった。本当に私の立場無しである。



2007年09月26日

わざと、危ないルートをとるhebereke隊長!(残りの我々は迂回ルートを選択)
時刻も午後3時をまわった頃、撤渓ポイントに到着。本来ならここから、4時間の林道歩きなのだが、歩いて1時間程の場所に爆走オヤジが車をデポしてくれたので、帰りの林道歩きは、すっかり仲間になった4人で和気藹々と会話をしながら歩いているとあっという間であった。

が・・・帰りの爆走オヤジの運転が凄まじかった! ガードレールなど存在しない未舗装の林道でドリフトである。崖から落ちれば谷底までノンストップ間違いなし! 山岳ボーダーは助手席で平気な顔をしているが、後部座席のhebereke隊長と私は青ざめた。隊長も私も悲鳴をあげ、何とかスピードを緩めてもらうよう懇願し、だいぶ爆走オヤジの運転にもなれてきたところで、今度は車の底を石にぶつけたはずみで、何かの部品が外れる。ガガガガと凄まじい音。しかし爆走オヤジは、「平気、平気」と何かの部品を地面にコスリながら、等々入渓点まで戻ってしまった。

午後5時ここで、「また機会があれば!」と一同別れの挨拶をして、お開きとなった。爆走オヤジと山岳ボーダーは、やっぱり猛スピードで林道を駆け下りていった。そしてその後、事件がおきたのである。最後尾を走っていた私の車の後輪がバースト。バシュー、ガラガラと凄まじい音に、前方を走っていたhebereke隊長が気がつき、タイヤ交換を手伝ってくれた。実は、私はパンク&タイヤ交換の経験は無く、学生の時友達の車がパンクした折にタイヤ交換を手伝ったことがあるぐらいないのである。そんなわけで、スペヤタイヤのナットのつけ方や、閉め方の順番もデタラメだったらしく、hebereke隊長に正しい方法を教わりながらの交換となった。そして、帰りは心細いだろうと、隊長は高速が使えないうえに50キロ程度しかスピードがだせない私の車の後ろをずっと着いてきてくれたのである。「Hebereke隊長本当にありがとうございました!」

今回は、実に色々なことがあった釣行でしたが、渓での出会いもあり、大変楽しめた一日でした。そして、今度はかならずリールとスプーンをザックに詰めていこうと思います。 (^^)たけお!




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